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正面は庇つくりの玄関で、雨が降ると板の間や下駄箱が濡れたりして何とかならないかと悩んでおられました。

４枚建の柳格子ですっきりし。周りの色合いとなじんでよかったです。前桁の端にお寺さんらしく虹梁を彫り、見た目にお寺らしく感じます。

黒板などははずし、そこに有効利用を考えました。

サッシの中に下駄箱を設置したので、これからは濡れる心配はなくなりました。
階段や杉の式台も磨いてもらい木目がはっきりしてよくなりました。

柱のみだったの為、よくこちらから雨が降り込んで濡れていました。

外そで壁を漆喰仕上げにしたことにより、元からその場所にあったかのように見せることが出来ました。
取り付けは大工・左官の手仕事によるもので職人技が光ります。

欅の枝の輪切りで作りました。和尚さんに『接賓』と字を書いていただきました。
『せっぴん』と読むのだそうです。

両脇の蓮が成長し、花を楽しむ和尚。咲かせるまでの水の世話の苦労が、開花することで報われ和ませてくれます。
色々お世話になっているお寺さんのご紹介をさせて頂きました。

地元のお寺さんということで、最初で最後の仕事だと思い建立しました。
私共は宮大工ではない家大工の親方ですので、完璧ではないですが、本などで色々研究したり他をみてまわったりして手がけた大物件です。
寺社建築には付き物といっていい『彫り物』が施してあります。

木鼻の彫り物  
木鼻など鑿（のみ）や鉋（かんな）による手作業です。
いろいろ参考にしながら、型をとって掘り進んでいくのですが、いま思うと感動物です。
このときの『やりきる』というその思いは伝えたいですね。

所在地／新城市　曹洞宗龍泉寺

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